パチンコの社会貢献

社会との共生はパチンコ・パチスロ業界にとって重要なテーマです。 社団法人 日本遊技関連事業協会(日遊協)は組織内の専門委員会の1つである社会貢献・環境対策委員会や、業界団体と主要遊技機メーカーとで構成する遊技機リサイクル推進委員会などで、環境問題、社会貢献、リサイクル対策などの協議を重ね、日遊協独自に、あるいは他の業界団体と協力しながら活動を実践しています。また、個々の企業も地域で独自の社会貢献活動を展開しています。そんな活動のいくつかをご紹介します。

 

里山づくり・共生の森

未来を担う子どもたちに自然の大切さを知ってもらうため、日遊協は平成20年(2008)11月に埼玉県嵐山町花見台地区で里山づくり10年計画「共生の森」事業をスタートさせました。

 

これは、日遊協が埼玉県と締結した「埼玉県森林(もり)づくり協定」に沿って、嵐山町の町有地約5・5ヘクタールを借り、5年かけて段階的に約1000本の苗木(エノキ、カツラ、オオモミジ、ヤマグリ、ナツツバキなど)を植樹します。植樹後は埼玉県林業職員などの指導の下、日遊協ボランティア派遣隊を中心に間伐や下草刈りなどの手入れを続け、10年後には木立が整然として採光が行き届いた森に育て上げる計画です。

 

過去2回の植樹イベントには、子どもたちも含めた日遊協会員・後援団体の家族、それに地元参加の家族、日遊協ボランティア派遣隊を含む日遊協関係者などが参加しました。1人が1,2本ずつ苗木を植えた後、近くの施設でそろって昼食。その後、親子連れは森の工作教室に参加し、枯葉、枯枝、ドングリ、マツカサなどを材料にして動物や虫などをつくるなど楽しいひとときを過ごしました。こうした家族連れの植樹イベントは今後も毎年秋に行われます。

 

この事業は日遊協が主催し、埼玉県、嵐山町、パチンコ産業13団体(全日遊連、日工組、日電協、全商協、回胴遊商、自工会、補給組合、メダル工業会、同友会、余暇進、PCSA、PSA、認証協)が後援、(株)ヤクルト本社が協賛しています。

第1回植樹風景

第2回植樹風景

【家族そろっての第1回植樹風景(平成20年11月)】

【雨中でも大勢が参加した第2回植樹(平成21年11月)】

 

日遊協ボランティア団体応援基金

この基金は、平成16年(2004)に新潟県中越地震や台風23号などの大きな自然災害が多発したことをきっかけに、同年12月に設置されました。助成対象は、児童・青少年の健全育成、高齢者の福祉増進、環境保全、災害被災地等での生活弱者の支援のいずれかを主眼にボランティア活動を自力で展開していて、活動継続のために資金を必要としている団体となっています。助成金はホールのお客様からの浄財や日遊協会員企業からの寄付です。助成の審査は毎年行われ、過去6回(平成21年度現在)で延べ42団体に合計3440万円を助成しています。

 

日遊協ボランティア派遣隊

日遊協ボランティア団体応援基金と同じく、大きな災害が多発した平成16年(2004年)に、被災地に駆けつけて救援・復興に役立とうという趣旨で設立されました。平成18年2月、豪雪に見舞われた新潟県津南町に都遊協青年部会のボランティア隊と一緒に出動、お年寄り世帯を対象に雪かき作業をしました。同19年4月、能登半島地震直後の石川県輪島市で復興活動に当たりました。同年7月の新潟県中越沖地震では被災4日目の柏崎市に仮設トイレ16基、水、トイレットペーパーなどを急送しました。災害時出動だけでなく、「共生の森」のような日遊協関連行事にも積極的に出動して社会貢献活動を行っています。
隊員は会員企業の社員有志で、平成22年4月現在、全国で206名が登録されています。消防署などの協力で、支部単位での研修も随時行われています。

雪かき

仮設トイレの荷降ろし

【新潟県津南町での雪かきボランティア(平成18年2月)】

【新潟県中越沖地震で仮説トイレなど救援物資を急送(平成19年7月)】

 


社会貢献・環境対策委員会

日遊協の活動主体は8つの専門委員会ですが、そのうちの1つが社会貢献・環境対策委員会です。社会貢献活動の企画と実施、ホールの地域社会との共生活動の企画と実施、省エネ対策の研究と推進、ホールの環境浄化対策の研究などを行っています。「共生の森」事業や後述の「ECOホール宣言」もこの委員会が中心となって進めています。

 

遊技機リサイクル推進委員会

遊技産業のリサイクル活動は、平成6年(1994)、埼玉県寄居町で大量の廃棄台の野積みが全国紙に報道されたことに端を発します。そのあと、全国各地の住宅地の近辺や山奥に同様に大量の廃棄台がゴミの山として放置されていることが報じられ、社会問題となりました。本来は廃棄物処理業者の責任に帰する野積みですが、いずれの場合も処理業者に撤去するだけの経済力がなく、世論や自治体の厳しい目は処分を依頼した遊技業界に向けられました。遊技機メーカー団体や販社団体は「回収による危険個所の除去は業界の社会的責任」として、協力して撤去しました。

 

一方、通産大臣(当時)の諮問機関・産業構造審議会でもパチンコ遊技機等が検討の対象となり、省資源化製品・再利用促進製品の指定を受けました。そのような状況の中で業界挙げてリサイクルの取り組みが始まり、平成9年(1997)、業界横断組織の遊技機リサイクル検討委員会(現・遊技機リサイクル推進委員会)が発足したのです。メンバーは日遊協を含むホール、遊技機メーカー、販社関係の7団体と主要な遊技機メーカー個社です。

 

同委員会は、信頼して処理をまかせられるリサイクル業者を選定しています。選定されたリサイクル業者は全国に40業者あり(平成22年4月現在)、ホールから排出される廃棄台を引き取ります。また、日工組(パチンコ遊技機メーカーの団体)が遊技機回収システムの広域認定を取得したほか、団体独自の回収システムも稼働しています。委員会はこれらを総合的に検討・調整しながらより高度なリサイクルを推し進め、循環型経済社会の構築に貢献していきます。

 

ECOホール宣言

廃棄台のリサイクルは今後も最重点のテーマですが、“環境”という視点でみると、業界が関係する重要な問題がほかにもあります。例えば、地球温暖化の原因となるCO2の削減です。日遊協を含むホール関連5団体は、2012年までにホールから排出されるCO2の15%削減(2007年度比)をスローガンに、「ECOホール宣言」を行ないました。具体的な取り組みはライトダウン・キャンペーンへの協力、チャレンジ25%への参加、自動販売機の消灯などによる電気使用量削減などとなっています。